授業づくりJAPANの「日本人を育てる授業」

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大久保利通

■安達弘先生の「小学校歴史人物学習 <なってみる日本史>」の紹介を続けます。
「大久保利通」は明治維新の授業(全5時間)の2時間目です。
これは安達先生のブログ「授業づくりJAPAN YOKOHAMAプライマリー」から転載しています。
 横浜の公立小学校6年生の思考力・表現力がみごとです。
 全国の先生方、ぜひ追試してみてください!


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         大久保利通

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 明治維新の人物学習、一人目は大久保利通を取りあげる。
 大久保が新しい日本の基礎を作った功労者でるあることをテーマとする授業である。
 なお、大久保はたいへん誤解されることの多い人物であるが、この視点にも触れる展開にしたいと考えた。


<ワークシート・第1ページ>

写真を見て気づいたことを箇条書きで書き出しましょう。

 右の写真が大久保利通です。左の5人の中にもいます。探してみましょう。

大久保肖像
大久保1

岩倉使節団
大久保2


 まず使節団5人の中でどれが大久保か当てさせる。
 次に気づいたことを発表させた。
「髭がすごい」
「みんなスーツを着ている」
「全員シルクハットを持っている」
「真ん中の人だけ日本風で、偉そうにしている」
「真ん中の人がリーダーなのか?」

『では、大久保利通がどんな人物なのか調べてみましょう』


<ワークシート・第2、3ページ>

★ある人が大久保利通についてこんな風に言っています。読んでみましょう。

①島田一良さん
「大久保さんは勝手な人だ。みんなの意見を聞かないで、日本の政治を自分の都合のいいように動かしている。しかも、自分も武士だったはずなのに、士族を困らせることばかり実行するから国内の内乱をまねいている。だから、私がこらしめてやるつもりだ」

②小野梓さん
「大久保さんは誤解されやすい人だ。彼は日本のために必要なことをしている。府や県に地方議会を開くなど、国民が政治に参加するきっかけを作った人だ。政治を自分の都合のいいように動かすような人が、こうした自由な制度を作るはずがない」

③中江兆民さん
「大久保さんはすごい人だ。新しい日本の法律・経済・道徳についての方針を立て、それを実行した。こうした大事な仕事を彼ほどしっかりやった人はいない」

④山本権兵衛さん
「大久保さんはあまりしゃべらない人だ。いつもこわい顔をしているので、こっちも言いたいことがなかなか言い出せない。西郷さんにくらべると人気がない」

⑤馬場辰猪さん
「大久保さんはとても用心深い人だ。どんなに犠牲をはらっても日本の平和を守ろうと努力していた。予想外のことが起こっても冷静に対応していた」

※5人の意見を聞いて大久保利通はどんな人だと思いましたか?

 数人に感想を求める。
 子どもたちからは
「本当はいい人なのだが、誤解されやすい?」
「冷静で静かな人では?」
などの感想が出てくる。


★海外視察した大久保利通が最も影響を受けたのは?

 1871(明治4)年、明治新政府は<廃藩置県>を行いました。
 これはそれぞれバラバラに存在していた「藩」をなくし、かわりに中央政府のもとに「県」を置くというものです。これにより武士というものがなくなることになりました。ですから、新政府は武士の反乱を恐れていました。しかし、予想に反して大きな混乱は起こりませんでした。
 当時の武士たちのほとんどはこれが新しい日本に必要な改革であると理解していたからです。各藩の年貢は新政府のもとに集まることになり、これでようやく新しい日本を作るための資金ができたのです。

 さて、同じ年に新政府はアメリカ・イギリスなど西洋の12の国々を視察することにしました。岩倉具視をリーダーとしたこの使節団を「岩倉使節団」と言います。

 この使節団の目的は次の2つです。
 ①不平等条約改正の予備交渉をする
 ②西洋文明を実地に学び取る

大久保利通もこの使節団に入ることを希望しました。新しい日本を作るためには広く西洋の制度や文化、施設を研究する必要があったからです。

(1)各国の視察のようすを写真で見てみましょう。

 まず廃藩置県について当時の地図を見せる。今、日本にある「県」という制度は明治時代に始まることを説明する。ただし、今とは「県」の区分や名称が異なることに着目させて、改正されて現在に至っていることを教える。

 次に冒頭に見せた5人の写真は岩倉使節団がアメリカで撮ったものであることを説明し、さらに他の画像を見せる。

横浜港出発
大久保3
横浜港から出発


津田梅子
大久保4
使節団には8才の少女・津田梅子がいた


大統領会見
大久保5
アメリカ大統領・グラントと会見


晩餐会
大久保6
一行は各地で大歓待を受ける

 次はこの授業のメインの課題である。



(2)大久保利通にいちばん影響を与えたのはどのアドバイスだろう?

 あなたが大久保利通なら、その後の行動にもっとも有益なのは下の誰のアドバイスだと思いますか?

<イギリスさん>
私たちの国の工場は見ましたか?
 造船所、製鉄所、製紙工場、ガラス工場、木綿工場など各地の都市には必ず工場があります。これが世界一豊かな国である秘密です。私たちの国の資源は鉄と石炭ぐらいです。原料は他国から輸入して製品を作り、輸出するのです。また、工場を成功させるためにはものと人を運ぶための道路・橋・鉄道が国中に通っていることが重要です。

<フランスさん>
もし政府の考え方に反対するものがいたらどうするか?
それは自信をもって排除することですよ。いろいろな考え方があるのは大事ですが、話し合うばかりで何も決まらなければ実行できません。この間もフランスではパリ・コミューンというグループが政府の方針に反対して一揆を起こしたので、徹底的に取りしまりました。おかげでいまのフランスは平和です。

<ドイツさん>
西洋の国々とどうつきあっていけばよいか?
世界中の国は、親しくそして礼儀正しくつきあっていますが、それは表向きのことですよ。自分の国の利益が守られれば礼儀正しいのですが、不利と見れば巨大な軍事力を平気で使います。これがきれいごとではない現実です。日本のような小さな国が独立を守るためには軍隊の力が必要です。私たちの国も陸軍に力を入れています。

◇ひとつ選んでその理由を書いてください。

 意見分布は以下のようになった。

*1組・・・イギリス11人 フランス5人 ドイツ9人
*2組・・・イギリス22人 フランス4人 ドイツ3人

(なお、1組のみ討論終了後にもう一度意見分布を取ったところイギリスから4人移動してイギリス7人 ドイツ13人と逆転した。フランスは変わらず)

次のような意見が出された。

*イギリス派
「イギリスみたいに原料を輸入して製品を作り、輸出すれば利益を上げられる」

「日本はたしか生糸がたくさんあるからこういう工場を造って輸出すれば儲かるし、他の工場の原料もこのお金で手に入れればいい。鉄道や道路が全国に行き渡れば国中の人がいろいろなところにいきやすくなる」

「世界でもトップクラスの工場を持てば、日本のような小さな国でも西洋とつきあえる。利益が上がれば政府に反対する人もいなくなる」

「イギリスのように工場がたくさんあれば豊かで何かと生活の上で必要なものが不足しないと思う。また、他国と輸入・輸出をすれば外国との仲がよくなり、争いが起きなくなると思う」

「日本はイギリスと同じで資源が少ないから、原料を輸入して工場をいっぱい造って、道路を造り、鉄道を通せば日本も巨大な軍事力を持って西洋と対等につきあえる」

「陸軍などの武器を作るには工場が必要だから、軍事力を高めようとしてもどっちみち工場がないとダメ」

 イギリス派が増えることは予想されたが、軍事力を伸ばすというなら工場が必要だ、という意見は説得力がある。


*フランス派
「ドイツにそんなことを言われても、それは西洋の国のことであって、今の日本に必要なのは「一つになる」ことだから、そのためのアドバイスを教えてくれているのはフランスだと思う」
 
フランス派は混乱や内乱が国の発展の阻害になるという意見である。


*ドイツ派
「今は西洋と仲良くやっているけれど、もしかしたら裏の顔があるかもしれないし、軍隊の力があれば何かと安心だから。攻めるのではなくて守る軍隊を作る」

「日本では五か条の御誓文が発表されて、その一つに強い国にしようというものがある。それは軍隊を作ろうと言っているのだから軍隊に力を入れているドイツさんが日本にとって一番有益だと思う」

「日本はとても小さい国だから日本を守るためにはたしかに軍隊の力が必要だ。うまくつきあっていくとしても、もしものために強い軍隊も用意しておくことが大切だ」

「日本は他の国よりも小さい国なので、もっと強くしないと、日本も植民地にされてしまう」

 1組では「植民地化」についての意見が複数出されていた。これが最終的にドイツ派の増加につながったと思われる。



<ワークシート・第4ページ>

★大久保利通の活躍

 西洋の国々から学んだ大久保は大きなショックを受けました。
「西洋の国々の発展の理由はよくわかった。しかし、はたして日本は同じようになれるのだろうか?」
 しかし、弱音ばかりを吐いているわけにはいきません。
「この世界に日本が独立した国を建てるには<富国強兵>の国づくりが必要だ。そして、これを実行するためには<殖産興業>に力をつくし、着実に進歩させることだ。さらに、これらを実行するためには強力なリーダーシップが必要だ」
と考えたにちがいありません。では、帰国した大久保はどんなことをしたのでしょう?

①内務省を作った
 大久保は「内務省」という新しい省を作りました。これは日本の産業をさかんにするための殖産興業、警察、地方政治、戸籍作成、土地の測量と土木工事など国としての基礎を作るための仕事をすべて行うものです。日本国民の力を養成することを大事な目標にしていました。

②殖産興業
  大久保は、民が豊かになることが国が豊かになることにつながると考えました。最初は政府が手伝いますが、その後は民間が自分たちで工業を推進すれば国は豊かになるはずです。世界遺産になった「富岡製糸場」などはこの考え方で作られました。

③外国との問題を一気に解決した
 まず、ロシアと千島樺太交換条約を決めて、北の国境をはっきりさせました。次に台湾との問題でこじれていた清国と直接話し合い、これを解決しました。さらに「征韓論」に反対して国内の問題を優先させました。

④元武士のたちの反乱にきびしく対応した
 佐賀、熊本、福岡、山口などで新政府の方針に反対する士族の反乱があいついで起こりましたが、大久保はきびしく対応しました。また、親友である西郷隆盛も鹿児島で大規模な反乱を起こしましたが、これも鎮圧しました。自分の方針が親友にも理解してもらえないのはつらいことだったでしょう。

 大久保は海外視察で学んだことをすべて生かした政治をしたと言えるでしょう。

 大久保の「したこと」4つを読み上げながら板書のイギリス派・フランス派・ドイツ派に「1票」ずつ入れていく。
 
①②はイギリスへ1票、
③はドイツとイギリスへ1票、
④はフランスへ1票。

 つまり、大久保はすべての国のアドバイスを生かしたわけである。だが、大久保はまずは国内問題を優先し、国の基礎を作ることに力を注いだ・・・と言う意味でイギリス派へおおめの3票となっている。

 子どもたちの感想を紹介する。

*大久保利通は国のためにたくさんのことを考えている。すごく頭が良くて、国のために何かをしよう!という国思いな人なんだと思いました。

*大久保さんは自分勝手な人なんかじゃないです。新しい日本をつくるために精一杯力を尽くしたすばらしい人だと私は思います。(中江兆民さんと同じ)

*大久保利通は親友にも理解してもらえない方針をもって立ち向かって。自分の考えを信じ、政治に取り組んでいたからすごいと思いました。

*大久保の方針は、元武士だった人たちには不評だったかもしれないけど、現代の方向に向いている。これからの時代にはいい方針だと思う。

*大久保利通は日本のために生きて、日本のために死んでいったのですごいと思いました。

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