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領土問題をいかにコンパクトに教えるか

今日は2月22日竹島の日です。第10回目の記念日ですね。
領土教育の第3弾をお届けします


●前半は、得能 弘一さんの高校・公民科「現代社会」における領土教育「領土問題をいかにコンパクトに教えるか」、

●後半は、昨年2月22日「母娘親子旅:第9回竹島の日記念式典参加の記録:領土教育の重要性」(山崎ちあき)を掲載します。


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領土問題をいかにコンパクトに教えるか


1.はじめに

高等学校において、領土教育を担当するのに、最も相応しい教科は「公民科」に他ならないと思われる。むろん「地歴科」でも可能ではあるが、より多くの生徒が履修するのが、公民科の科目「現代社会」である。

それでは、現在において、「現代社会」では、どのような領土教育が実施されているのであろうか。現行(平成22年度)の「現代社会」の教科書は、11の出版社から16冊が刊行されている。

16冊のなかで、北方領土・竹島・尖閣諸島の3つの領土問題について、3つともに記載があるのが、9冊であり、北方領土のみ記載があるのが、2冊である。よって、5冊の教科書には、全く領土問題についての記述がない。その5冊の出版社は、実教出版(2冊)・三省堂(1冊)・帝国書院(1冊)・東学(1冊)であるが、筆者の高校「地歴・公民科」教諭としての経験(4半世紀を越える)からも、特に実教出版の教科書は、偏向が著しく何度も憤りを覚えたものである。

日本の領土

日本の領海
日本の領海等概念図
( 海上保安庁 海洋情報部より転載・リンク)

では、3つともに記載のある9冊では、どのような記述がなされているのであろうか。 たとえば、東京書籍の『現代社会』では、「日本の領土については、ロシアとの間で北方領土問題、韓国との間で竹島の問題があり、尖閣諸島については中国がその領有を主張している。」とあり、教科書にしてわずかに2行の記述のうえ、我が国の主張も立場も書かれておらず、どこの国の教科書かと見まがうような書きようである。他の教科書も概ね同様の記述であるが、唯一、第一学習社の『高等学校 改訂版 現代社会』のみ、「日本は、ロシアとの間に北方領土問題という大きな問題を抱えている。また、韓国が不法占拠を続けている竹島(韓国での呼称は独島)や、中国が領有権を主張している尖閣諸島(中国での呼称は釣魚島)も、日本固有の領土であるが、双方の主張は平行線をたどっている。」と書かれており、これが最も領土問題について詳しい教科書といえる。

領土問題が、国家の根幹を揺さぶる重大な問題であることは、次第に国民の認知するところとなりつつあり、今後の教科書の改訂においては、大幅な記述内容の増加があることを期待したいが、現行の教科書においては、触れられてもわずかに数行の嘆かわしい状況である。私見を言えば、領土問題の授業時間は、最低でも、それぞれに1時間として3時間は必要であろう。しかしながら、領土問題の授業に、大胆に3時間を割り当てる勇気と見識を持つ教師は少ないものと思われる。そこで、なんとか1時間の授業で、効率よくコンパクトに領土問題を教えることはできないものか試みてみたい。


2.授業の導入

領土問題の授業は、兵庫県立神戸工業高等学校の1年生3クラス(計70名)と、兵庫県立神戸高等学校の1年生2クラス(計80名)で、平成23年の2月に行ったが、前者は、筆者が教諭として勤務する定時制工業科の高等学校で、家庭状況が不遇であったり、中学校時代に不登校であった者が多い。後者は、筆者が午前中に兼任講師として授業を担当している全日制普通科の高等学校で県下トップクラスの進学校である。

まず、授業の冒頭でアンケートを実施した。アンケートが導入である。この授業の目的は、いかにコンパクトに教えるか、であるから、残念ではあるが発問の余裕はない。生徒たちには、領土問題の授業を行うことは予告していないので、事前学習のない正味の彼らの知識や認識が、アンケートに反映されている。なお、アンケート総数は、前掲両校の生徒の合計150名である。

1.現在、日本にはどのような領土問題が存在しますか。
北方領土 ‥‥‥‥‥‥‥‥145名
尖閣諸島 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥75名
竹島 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥63名
沖縄米軍基地 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥11名
沖ノ鳥島 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7名
対馬 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5名
樺太 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2名
小笠原諸島 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
千島列島 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
与那国島 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
無回答 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5名


ほとんどの生徒が、北方領土の存在を知っており、半数の生徒が尖閣諸島を知っているが、竹島はやや少ない。沖縄の米軍基地を領土問題と誤解している生徒もいるが、沖ノ鳥島や対馬をあげた生徒は知識が豊富なゆえである。

2.1を答えた生徒は、領土問題の相手国をそれぞれ答えなさい。

北方領土: ロシア‥‥‥‥‥‥‥117名
他国・無回答‥‥‥‥‥28名
竹島: 韓国‥‥‥‥‥‥‥‥‥45名
北朝鮮‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9名
他国・無回答‥‥‥‥‥‥8名
尖閣諸島: 中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥66名
台湾‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3名
他国・無回答‥‥‥‥‥‥6名
沖縄米軍基地: 米国‥‥‥‥‥‥‥‥‥11名
沖ノ鳥島: 国際社会‥‥‥‥‥‥‥‥4名
中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3名
対馬: 韓国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5名
樺太: ロシア‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
北朝鮮‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
小笠原諸島: 中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
千島列島: ロシア‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
与那国島: 中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名



北方領土が対ロシア、尖閣諸島が対中国であることを生徒はよく知っているが、やはり、竹島についての認知度が低い。沖縄米軍基地の問題については、別単元での授業が必要であり、沖ノ鳥島と対馬については、誤解を招かぬよう領土問題の授業において言及する必要があろう。

3.1を答えた生徒は、それらの領土が現在どのような状況にあるかそれぞれ答えなさい(人数の足らない分は無回答)。

北方領土: ロシアが支配‥‥‥‥‥‥‥78名
日ロ両国で統治‥‥‥‥‥‥15名
日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥‥4名
竹島: 韓国が支配‥‥‥‥‥‥‥‥17名
日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥‥7名
尖閣諸島: 日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥35名
中国が支配‥‥‥‥‥‥‥‥11名
日中両国で統治‥‥‥‥‥‥‥9名
沖縄米軍基地・米国が支配‥‥8名
沖ノ鳥島: 日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
国連が統治‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
対馬: 日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥‥4名
樺太: ロシアが支配‥‥‥‥‥‥‥‥1名
小笠原諸島: 日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
千島列島: ロシアが支配‥‥‥‥‥‥‥‥1名
与那国島: 日本が支配‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名


領土問題の存在を知っている生徒においても、北方領土が、日ロ両国で統治していると答えたり、日本の支配下にあると答える者もいる。尖閣諸島も、日中両国で統治していると答えたり、中国の支配下にあると答える者もいる。竹島が日本の支配下にあると答える者もあり、その知識は必ずしも正確ではない。

北方領土は、ロシアの支配下にあるとの知識を有していた者は78名で、全体(150名)の52%であり、尖閣諸島は、中国が圧力をかけているが日本の支配下にあるとの知識を有していた者は35名で、23%にすぎず、竹島にいたっては、韓国の支配下にあるとの知識を有していた者はわずかに17名であり、たった11%である。

すなわち、北方領土は約5割、尖閣諸島は約2割、竹島は約1割の生徒しか知識を持っていなかったといえる。

4.1を答えた生徒は、それらの領土問題について、日本と相手国のどちらが正しいと思いますか。
北方領土:
日本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥87名
ロシア‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3名
わからない‥‥‥‥‥‥‥‥‥55名

竹島:
日本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42名
韓国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7名
わからない‥‥‥‥‥‥‥‥‥14名

尖閣諸島:
日本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥64名
中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1名
わからない‥‥‥‥‥‥‥‥‥10名

3つの領土問題の存在を知っていた生徒ののべ合計が283名であるが、その中で、日本の主張が正しいと思っている者が193名であり、領土問題を知っていても、約3割近くの生徒が、日本が正しいと答えられなかったのである。これらのアンケート結果を見るだけでも、領土教育の必要性を痛感せずにはいられない。


3.授業の展開

アンケートの実施後は、その結果を横目に見つつ授業を展開しなければならない。理想を言えば、前時の最後にアンケートを行っておけば、結果を踏まえた授業ができる。また、丁寧な板書をしていては、1時間で領土問題を教えることはできないので、板書事項を厳選したうえで、それを穴埋め式の授業プリントとして作成した。(末掲)


4.授業のまとめ

授業では、できるかぎり歴史的事実や法的な事実を冷静に話すように心掛けた。また、時間があれば相手国の主張も取り上げて反論を加えたいものである。

授業のまとめも、授業の導入と同様にアンケートを実施した。在日韓国人や華僑の生徒もいることから、日本は思想信条が自由な国であり、どのように答えてもよいことを念押ししてから、導入でのアンケート「4」と同じ質問をしてみる。

1.それぞれの領土問題について、日本と相手国のどちらが正しいと思いますか。

北方領土:
日本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥145名
ロシア‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0名
わからない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5名
竹島: 日本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥138名
韓国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4名
わからない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8名
尖閣諸島: 日本‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥143名
中国‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0名
わからない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7名


単純にこの回答結果をもって満足するものではないが、少なくとも、領土問題の存在を知らなかったり、知識が不充分で「わからない」と答えた生徒が大幅に減少したことは、領土教育の成果と捉えてもよいのではなかろうか。次いで、自由に自分の意見を書かせてみた。

2.それぞれの領土問題について、その解決のために日本はどのような行動をとればよいと思いますか。自分の考えを自由に述べなさい。
この質問への文章による回答から、要点を分類してみると次のようになる。

北方領土:
政府によるもっと強気の交渉‥‥144名
国際社会への積極的な働きかけ‥‥68名
学校でもっと領土教育をすべき‥‥46名
妥協案による返還交渉‥‥‥‥‥‥20名
軍事力の増強‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6名

竹島:
政府によるもっと強気の交渉‥‥116名
国際社会への積極的な働きかけ‥116名
学校でもっと領土教育をすべき‥‥64名
平和的な交渉の継続または静観‥‥12名
軍事力の増強‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10名

尖閣諸島:
政府によるもっと強気の抗議‥‥126名
国際社会への積極的な働きかけ‥‥82名
自衛隊による防衛‥‥‥‥‥‥‥‥62名
学校でもっと領土教育をすべき‥‥44名
早急に資源を開発‥‥‥‥‥‥‥‥34名

多くの生徒が、日本政府の積極的な取り組みを望んでいることがわかる。すなわち、相手国に対しては強気の交渉・抗議を、国際社会に対しては日本の主張をアピールし、学校教育において領土問題をきちんと教えること、である。まさに、生徒たちの望むことは、心ある日本国民が望むことと同じではなかろうか。


5.おわりに

たった、50分1コマ(授業の導入に5分、展開に30分、まとめに15分)の急ぎ足で領土問題の授業を行ったが、教育的効果は充分にあったものと思われる。今後、少なくとも、小学校・中学校・高等学校(それぞれに一度は必ず)において、発達段階に応じた領土教育が、全国的に実施されることを切に願うものである。

最後に、生徒の意見(まとめのアンケート「2」)をピックアップしてご紹介したい。結果として、県立神戸高等学校の生徒に偏ってしまったが、女子生徒に頼もしい意見が多かったことは意外であった。それだけ、近隣国の重圧と政府の無策を感じとって危機感を募らせているのであろう。


■ 北方領土

•今までに取り返すチャンスがあったろうに、いっこうに取り返すことができていないのは、日本のリーダーに信念に基づく主張がないからだと思う。特に最近は大きくなめられているので、もっと、国際社会に訴えなければならない。私は一度、北方領土が見えるところまで行ったことがあるが、国民全員がもっと知識を持つべきだし、一致団結すべきである。(女子)
•領土を分けるという解決案が出ているようだけれど、それで納得してしまってはいけないと思う。ロシアが返してくれそうにないからといって、妥協してしまったら最後だと思うので、日本はこれからもねばり強く北方領土の返還を要求すべきだと思う。元々は日本の領土であるということを忘れてはいけない。(女子)
•日本の主張をもっと強くロシアや国際社会に伝えるべきだ。日本の首相が非力だから日本の国力も低下しているので、国民全体で問題を考えるためにも、学校教育でもっとしっかりこの問題を取り上げることが必要だと思う。(女子)
•ロシアに日本と友好的な関係を結ぼうとする気があるなら、不正に持っている物を返してからでないと結ぶ権利はあちらにはない。ロシアが4島を一括返還してこないなら、日本はこれから先、百年でも2百年でも、友好的な条約など結ぶべきではないと思う。(女子)


■ 竹島

•国際司法裁判所にこの問題を訴える案を再提案し、拒否されたら、その理由を粘り強く聞き出すべきで、理由に納得がいかなければ、日本の主張を強く正確に伝えるべきです。また、国連に対して、どちらか1国の訴えで裁判できるように働きかけなければならないと思います。(男子)
•韓国では幼い時から「独島は自分たちのもの」と教えられ、今後そう教えられた人たちが国を動かしていくので、取り戻すのは時間が経つにつれ難しくなると思う。日本では、私が今回初めて竹島を知ったぐらいで、意識の違いが大きすぎる。日本でも小学生の時からこの問題をしっかりと取り上げ、知識を持って大人になる必要がある。韓国に返す気がなくても、日本は竹島が日本領であることを世界に発信していく必要があると思う。(女子)
•不当に竹島を奪った韓国をこのまま許しておくべきではないと思う。今、韓国が北朝鮮に手を取られている間に、政府は竹島問題の詳細な経過を発表して、もっと国民に関心をもってもらうべきである。韓国がごねるなら、日本領である証拠資料を日韓首相会談等の際に突きつけるべきだ。それでもごねるなら、アメリカなどの国々にも協力してもらうべきである。たかが島1つ、されど島1つ、不当に取られたものを黙って見ているだけは、絶対にしたくはないし、してもいけない。(女子)
•日本人があまりにもこの問題に関して知らな過ぎると思います。あちら側は徹底的に韓国に有利なように子供たちに教育しています。日本としては、もっと子供たちに教えて、国民の関心を向上させるべきだと思います。島根県が制定した「竹島の日」がこの間ありましたが、北方領土の日のように新聞に大きく載ったりしませんでした。これでは島根県の人たちも浮かばれませんし、この問題を「知らない」日本人がいるということは情けないことだと思います。(女子)
•韓国は小さい子供に「竹島は韓国領だ」と教え込んでいるらしいが、日本では領土の勉強を小さい頃からしていないので、世代が変わるごとに不利になっていくと思う。だから韓国に負けないように、日本は正しいのだからもっと教育の場で教えるべきだ。(男子)


■ 尖閣諸島

•先に相手国の軍隊に上陸されてしまっては、外交に弱腰の現在の日本にとって、対策案を作り出すこともできず、既成事実化されてしまうので、早く灯台を作り、自衛隊を派遣するべきだと思います。(男子)
•日本の領土なのだから早急に資源開発に着手すべき。海上保安庁はしっかり仕事をしているのに政治家が弱すぎる。やはりもっと賢明な人が出てくるべき。武力ではなく、賢さと意志の強さが必要だと思う。(女子)
•中国は対チベットといい対台湾といい、横暴すぎる。全国民がそうであるとは限らないがそのように思えてならない。日本が武力で対抗できないのなら、何としてでも言論で明確に主張する必要がある。中国との貿易がなんだかんだという前に、もっと国内を固めて全力で中国にぶつかるべきだ。先手を打たれる前に防御をしっかりして、国を守ってほしい。(女子)
•日本は決して弱腰にならず、堂々かつ冷静に対処し、相手のやりすぎな行動に関しては世界にうったえる必要がある。世界を味方につけられるように、説得力のある主張をはっきりしていくべきだ。力を持ち出した中国になめられだすと、日本はだめになってくる。他の領土も無理やりとられるかもしれない。(男子)



参考文献•下條正男『竹島は日韓どちらのものか』(文春新書・平成16年)
•山田吉彦『日本の国境』(新潮新書・平成17年)
•『別冊宝島 ニッポン人なら読んでおきたい 竹島・尖閣諸島の本』(宝島社・平成17年)
•斎藤勉・内藤泰朗『北方領土は泣いている』(産経新聞出版・平成19年)
•寺澤元一「竹島問題を理解する10のポイント」『歴史と地理』628(山川出版社・平成21年)
•芹田健太郎『日本の領土』(中公文庫・平成22年)
•伊藤隆監修・百瀬孝著『史料検証 日本の領土』(河出書房新社・平成22年)
•水間政憲『いまこそ日本人が知っておくべき「領土問題」の真実』(PHP研究所・平成22年)
•藤岡信勝・加瀬英明編『中国はなぜ尖閣を取りに来るのか』(自由社・平成22年)






母娘親子旅
第9回竹島の日記念式典参加記
領土教育の重要性


(山﨑ちあき)

メチのいた島
杉原由美子著『メチのいた島』

2月21日から2泊3日で島根県松江市を訪問した。島根県が2005年に、2月22日を「竹島の日」と制定し、今年で第9回目となる記念式典に参加するための島根旅行だった。

松江に到着した日は例年通りに竹島資料室に直行した。今年の特別展示は地図であり、長久保赤水の地図をはじめ、韓国が主張する独島が韓国領でないことが明らかな証拠が数多く展示されていた。その裏の資料展示スペースには山陰中央新報より発売された『メチのいた島』が置かれていた。この絵本は、隠岐出身の杉原由美子さんが昨年自費出版で出されたものを山陰中央新報が全国に発売していた。「メチ」とはニホンアシカを指し、隠岐の島の子どもたちとニホンアシカとのふれあいの様子が分かりやすく描かれている絵本だ。また、巻末には竹島の歴史が書かれているため、小さい子でもとっつきやすい竹島問題導入本としても最適だと感じた。

今年は大韓民国独島郷友会会長、崔在翼氏の「竹島の日記念式典」抗議活動がメディアで取り上げられていたが、私がいた頃は何社かのマスコミのみだった。

今年は聯合ニュースの東京支社からインタビューを受けたが、彼は東京に来て、1年ちょっとという割には腰の低い記者であった。

質問内容は

① 日本での竹島に関する関心度

② 竹島問題についてどう思うか

③ この問題はどうやったら解決するか

という内容だった。

① に関しては、「李明博元大統領が竹島に上陸したことで、高まりましたね」と答えると、記者は苦笑いだったが、納得した様子だった。

結局、注目していた崔氏が資料室を訪れたのは、私が帰ってから約1時間後のことだった。私は夕方のニュースでひと悶着の場面を目にしたのだった。

式典当日は静かな朝を迎えたが、早くから会場付近の主要道路には警官が配備され、交通規制を行っていた。毎年の光景であるので見慣れたものであったが、今年は例年にも増して街宣車は増えるのではないかと密かに思っていた。

母と早い昼食をとっていると、外が騒がしくなってきた。どこから音が聞こえてきているのか分からなかったが、資料室前まで行くと謎が解けた。街宣行動が始まっていたのだ。


街宣車と警察の攻防県民会館前にて 街宣車と警察官の攻防戦

県庁、資料室、県民会館へと続く大きな道路への街宣車の侵入を拒否していた警察と街宣車の攻防戦が行われていて、多くの報道陣が押し寄せていた。現場では東京で目にする街宣車とは比較にならない位の爆音が響いており、隣の人との会話ができない程だった。この日は、崔氏が県民館前で抗議活動を行うという情報を事前に見ていたので、10分ほど街宣行動を見学し、会場に向かった。結局、県庁付近に多くの保守系団体が崔氏を迎えうったため、警察や機動隊に護衛された崔氏は抗議活動を行えないまま、数10メートル歩いただけで、乗ってきたマイクロバスに押し戻される形となったようで、私は彼の姿を直接確認することはできなかった。

今年の式典には亀岡政務官が出席し、昨年に続き政府代表が出席したのは2回目である。

政務官、溝口県知事のあいさつは例年通りであったが、島根県議会五百川純寿議長の挨拶が始まると、会場から一斉に「売国奴!」「帰れ!」「県議会解散しろ!」などといったヤジが飛んだ。ここまでの多さは、私が式典に参加した中では最大級であり、祝辞を述べても聞き取るのが困難な程であった。はじめは、なぜここまで県議長に対しヤジが多いのか不思議であったが、慰安婦問題について失態を犯してしまったことを思い出した。

島根県議会は、2013年6月26日に日本軍「慰安婦」問題への誠実な対応を求める意見書を政府に提出した。

この中で、

1.日本政府は「河野談話」を踏まえ、その内容を誠実に実行すること

2.被害女性とされる方々が2次被害を被ることがないよう努め、その名誉と尊厳を守るべく、真摯な対応を行うこと

と明記している。この内容に国民が怒りを表していたのである。

司会者も「静粛に」という声を何度も発するが、県議長の挨拶が終わるまで、ヤジが続いた。あまりの多さに、今年は誰か会場から連れ出されるかも?と思って会場を見ていたが、県議長以外の人に対しては静かにしているとのことだったからか、誰も会場から連れ出されることはなかった。


竹島100問100答
『竹島100問100答』

第2部では、2月に発売された『竹島100問100答』に関する紹介であった。この本は難易度が3段階に分かれていて、尚且つ竹島とは何かというところから記載されているため、どんな世代にも対応した1冊である。また、最後の章では実際に島根県で行われている竹島の授業案が紹介されているため、領土教育の参考にして欲しいとのことであった。


来年は式典も10年を迎える。この竹島の式典が北方領土と同じ道を辿らないためにも、島根県のみでなく全国規模の領土教育を徹底していく必要がある。さらに、学校教育で補えない世代に如何にして竹島について認知してもらうかが今後の課題ではないかと感じる次第である。
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